2019年11月に施行された、住民票やマイナンバーカードに旧姓(正式には「旧氏」)を併記できる制度。結婚・入籍準備をしている中で検討し始めたという方も多いのではないでしょうか。
わたしは職場で旧姓を使用していることと、もともと旧姓が気に入っていたこともあり(新姓が嫌というわけではなく)、この制度を知ったときから、機会があれば併記したいと考えていました。
そんな中、車検証の改姓手続きの準備をしているときに、旧姓併記のための必要書類が手元に揃っている絶好のタイミングが。
役所に行かなければいけないということもあり、「なんだか面倒くさそう…」と思ってしまいがちなこの手続きですが、実は実際にやってみるととても簡単だったのです。
今回はそんな旧姓併記の手続きについて、詳しく解説します。
目次
旧姓併記はどんなときに必要になるのか?
特別な理由がない場合、旧姓併記することにメリットを感じられない方もいると思います。
総務省のホームページでも紹介されていますが、実は様々な場面で役立てることができるのです。
・さまざまな契約や、銀行口座名義の証明
・就職・転職時、仕事上においての旧姓での本人確認
最近は旧姓のまま仕事を続ける方も多く、身分証明書との氏名相違がネックになる場面があることについてはニュースなどでもよく目にしますよね。
実際に会社で旧姓併記が必要になるケース
わたしも職場で旧姓のまま仕事をしていますが、年末調整や給与明細、雇用契約書など正式な書類は新姓、業務においては基本的に旧姓という使い分けをしています。
問題になるのは、社外での場面。社員として銀行での用事があるときなど、ときどき身分証明書の提示が必要になることがあります。
このとき、書類や名刺に載っている旧姓の氏名と一致せず、本人確認ができなくなってしまうのです。
入籍してからその場面に出くわしたことはまだないのですが、マイナンバーカードに旧姓併記されていれば、このような問題をクリアすることができます。
これまでは、「わざと旧姓を残した免許証」を活用していた
わたしが入籍したのは、ちょうど運転免許証の更新でもあった年。誕生日の次の日に婚姻届を提出しました。
免許の更新は誕生日の1ヵ月後までできるので、入籍後にまとめて「改姓+更新」の手続きをすることもできたのですが、わたしはあえて入籍前に免許の更新をしておいたのです。
というのも、入籍後に免許証の交付を受けると、旧姓が完全に消えてしまうから。
更新のタイミング | 氏名の記載 |
---|---|
入籍前 | 表:旧姓 / 裏書:新姓 |
入籍後 | 新姓のみ |
改姓すると、銀行口座やクレジットカードの手続きで、新旧氏名を確認できる書類が頻繁に必要になります。このときは、表面に旧姓を残しておいたおかげで、ほとんどの場面で免許証1点での名義変更ができました。
次の免許更新時に旧姓が消えてしまうことが不安だったのですが、旧姓併記の制度のおかげで今後は他の書類で代用できるため、この心配もいらなくなります。
申請方法はいたってシンプル、すぐに反映
旧姓併記の申請をするにあたり、書類の準備に手間がかかるかと思っていたのですが、必要なものは戸籍謄本(旧姓が記載されているもの)1点のみでした。
※旧姓が複数ある場合は、併記したい旧姓から現在の姓までの経緯が全て分かる戸籍謄本が必要です
役所での申請手順
記入箇所も少なくすぐに終わります
本人確認は免許証1点で大丈夫でした
提出したカードに旧姓が記載されて返ってきます
とにかく簡単で、カードは処理終了時に受け取れるのでその日で全て完結します。
ちなみに、マイナンバーカードは住民票の記載内容に基づいて発行されるため、マイナンバーカードと住民票のどちらか一方にのみ旧姓併記するということはできません。
マイナンバーカードの発行申請中でも受付してもらえた
わたしは半月ほど前にマイナンバーカードの発行申請をしたばかりで、手続き的には非常に中途半端な段階でした。
この状況であることを窓口の方に伝えましたが、旧姓併記の申請は受付してもらえるとのこと。カードへの対応は下記のようになると言われました。
- 今日の時点では、ひとまず通知カードの裏面に旧姓を記載
- 新姓のマイナンバーカード完成後、受取時に旧姓を追加記載してくれる
案内の通り、返ってきた通知カードの裏面には「旧氏記載:●●」との印字が。
完成したマイナンバーカードの受取時には係の方から改めてアナウンスしてもらえるとのことで、問題なく手続きでき安心しました。
この申請を終えたことで、免許証にも旧姓併記が可能に
2019年12月からは、運転免許証にも旧姓併記することができるようになっています。
免許証へ旧姓併記するときに使える確認書類は、旧姓が記載された住民票かマイナンバーカードだけです。今回ご紹介した役所での手続きさえ事前に済ませておけば、必要になったときすぐに申請ができます。
やっておくと便利な旧姓併記。活用機会のある方はぜひ申請を
シンプルな手続きで申請でき、生活の細かな場面で活用できる旧姓併記。
日ごろ旧姓を使う機会が多い方は、余裕のあるときに手続きを済ませ、いざというときに役立てられるようにしておきましょう。
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